2010年12月1日水曜日

朝鮮半島の「いま」と日本の周辺事態法の「真実」

珍しく政治的なことについてつらつらと書いてみます。
絶賛間違っていること書いている可能性大なので
コメントで突っ込みよろしく。

皆さんご存知の通り、去る2010年11月23日に
北朝鮮から韓国に対する砲撃事件がありました。
この砲撃により韓国の兵士2名が犠牲になったとのこと。

すわ戦争の勃発かという緊迫した雰囲気の中で、
日本は、ひいてはアメリカはどう対応するのかを
少し予想してみたいと思います。

とはいえ、まずは情報が不足し過ぎているので、
11月23日に(北朝鮮や韓国の言い分に捉われず)
何がどういったふうに起こったのかまとめてみたいと思います。



13:** 韓国が国連の引いた海ライン付近で発砲演習


14:23 北朝鮮が韓国の仁川・延坪島へ130発砲撃開始

**:** 韓国軍応戦(韓国側兵士2名死亡

15:** 菅首相、報道で北朝鮮の砲撃を知る

15:** 菅内閣70分以上の初動の遅れ

15:42 北朝鮮、韓国への砲撃停止

おおよそこんな流れのようです。
北朝鮮側の主張としては
繰り返し警告したにも関わらず我々の領土への砲撃を
  やめなかったので、これに対し強力な反撃をした
ということらしいですが、これはおそらく午後1時くらいから始まった
領海ライン付近での韓国軍の発砲演習のことではないかと。

この領海ラインというやつがまた厄介で、
国連が好き勝手に引きやがったせいで
世界各地で紛争の元ネタになっているわけですな。

つまり北朝鮮と韓国との間で領土の認識がそもそも違う。
韓国は自分の領土で自由に演習をしていたつもりでも、
北朝鮮にとっては自分の畑で暴れられたも同然なわけで、
この言い訳が立つとなると、反撃もやむなし、という極論も出てきます。

実質的に被害を出した北朝鮮を擁護するわけではありませんが、
今回の事件は起こるべくして起こったと言って良いのでは?
冷戦状態の下にそういった地盤があったのなら、
いつかこういう事態になったのではないかと個人的に思います。

もちろん、民間の島に攻撃したことは許されることではありません。
戦争終結後のひずみが今になって現れたのでしょうか。
いずれにせよ、鍔迫り合いに一石を投じたのは間違いないです。

そんな中、菅首相は呑気にも報道を見て知っただとか、
それでも内閣は24時間体制で動ける状態にあったらしいだとか、
北朝鮮の総帥とその息子が昨日あたりコンサートに行ったとか、
お前ら戦争を目の前にして何やってんだと思う向きもありますが、
ここで重要なのは個々人の非難ではなく法の確認とアメリカの動きですね。
戦争が起こると確定したわけではありませんけども。

そもそも韓国はよく我慢してきたと思います。
これまでも領海ラインで軍同士の衝突があって、
たびたび哨戒船を沈められたりもしてきた。

今回に至っては民間の島を攻撃されて犠牲も出たのだから、
即戦争に発展してもおかしくない状態だったのではないでしょうか。
韓国内でも北朝鮮の国旗を燃やしたり、戦争ムードが高まっているようです。

では、アメリカは?

かつて大量破壊兵器があるとしてイラクに攻撃を仕掛けたことがありました。
北朝鮮の核拡散防止条約からの脱退、日本海へのミサイルの打ち込み、
これほどはっきりした要素が揃っていながらなぜ戦争を仕掛けないのか?

それについて考えるには「周辺事態法」について論じる必要がありそうです。
周辺事態法というのは、一言で言えば、
「特定の条件下であれば日本はアメリカに協力する」というものです。

1951年に調印された日米安保条約は、ぶっちゃけてしまえば
日本周辺の国々の共産化が進む中、日本を共産化の流れから守るため、
  ないし日本をアメリカの前線基地として利用するため」のものでした。

旧ソ連や中国などの共産国に囲まれた日本の共産化を
断固阻止したかったアメリカは、思想の意味でも武力の意味でも
「日本を守る」という大義のもと、沖縄に米軍基地を設置することになります。

それは冷戦の生んだ、皮肉って言えば、
合理性と利便性にまみれた大人の条約だったわけです。

しかし、1980年代に冷戦が終わると、
その日米安保条約も変更せざるを得ない状況になってきました。

国際社会での孤立化を恐れた北朝鮮によるNPT(核拡散防止条約)脱退、
中国による台湾海峡における大規模なミサイル演習、すなわち、
事実上台湾に対する軍事的威嚇活動などの事件が勃発し、
アメリカは東アジアへの足掛かりとなる日本の価値を、
より大きく捉えなければならなくなりました。

そこで世界のヒーローであるアメリカと日本は協議して、
日米安保条約を単なる日本の領土の守備というだけではなく、
アジア、ひいては太平洋の平和を維持するための条約」として
1996年4月、「安保再定義」として、条約を再定義したのです。

とすると、日本はアメリカに対してより幅広い協力をしなければならなくなる。
アメリカが「平和の危機だ」と感じたときは、
日本もそれに協力しなければならない状態になったわけですね。

これが新ガイドライン、「周辺事態法」というわけです。
事実、イラクに大量破壊兵器があるとアメリカが攻撃を仕掛けたとき、
日本の自衛隊は現地に赴いてサポートすることになりました。

それは憲法第9条に反するのではないか?

まだ記憶に新しい、当時世間を賑わせた言葉です。
それも当然のことで、「周辺事態法」とはそもそも何なのか?
「周辺」とはどの周辺なのか、「事態」とはどんな事態を想定しているのか、
そのあたりがさっぱり不明瞭なのが問題の出所なのです。

周辺事態法における「周辺事態」の定義は、その第1条、
――そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等
――我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態
とされています。

曖昧ここに極まれりです。逆に言えば、
「例えばここでこうした問題が起きたとき、周辺事態法は適用されるのか?」
といった疑問に対し、主体的にしか答えることができない。
つまり、あらかじめ事態を想定できないというところに問題があるわけです。

敢えて曖昧にしておく狙いもあったと思いますがそれは譲りまして、
それでは今回、北朝鮮と韓国の間で起こっている事態については、
「周辺事態」として認められ得るのかどうか?

これについては北沢防衛相が記者会見で見解を述べています。
(参照: 北沢防衛相:緊張続く朝鮮半島情勢、周辺事態法想定せず毎日jp))

以下引用。
――北沢俊美防衛相は30日の記者会見で、
――米韓合同軍事演習などで緊張が続く朝鮮半島情勢に関し、
――現時点では周辺事態法の適用対象として想定していないことを強調した。
――「同法で対応を図る状況になっていない」と述べた。

つまり現時点ではほっといても問題なかろうということですが、
平和ボケしたこの国のこと、自国民に被害が出たときに
何かしらの対応を政府内閣はしてくれるのでしょうか?
すぐ隣でドンパチやってるのを被害ゼロで黙認できるのでしょうか?

戦争が起こらないに越したことはありませんし、
日本の自衛隊が出動する事態も避けるべきことではありますが、
一言、「これからどうなるの?」という問いに対して、
偉い人の誰もが確実な答えを出せないというのが怖いところです。

というわけで、まとめになっているんでしょうかこの記事は…。
少なくとも自分の考えを整理することはできましたが、
皆さんどうお考えなんでしょうね。

sandmarkでしたっ!




2 件のコメント:

  1. むむ(・x・ ).o0○

    政治と宗教は難しい問題ですよねー
    ただ日本の政治を考えると(ノ Д`)しか浮かばないのが悲しいコトですよね。・゜・(ノ∀`)・゜・。

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  2. ボクは学生時代社会科が赤点ギリギリだったのでこういったことは本当に苦手なんですが、調べてみると何やら納得できる(感じがする)こともあったりなんかしてます。
    それでも言えるのは、日本の政治はもうホントに言葉にできないということです><w

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